本研究では、時計遺伝子に着目し、体内時計に果たすポリアミンの役割について解析した。ポリアミンの細胞内濃度を4時間ごとに測定した結果、24時間周期の概日リズムを刻んでいることを見出した。そこで、BMAL1やPER2などの時計遺伝子のmRNA量をポリアミンの有無で比較したところ、発現位相に2-4時間の遅れが見られた。また、BMAL1がポリアミンにより翻訳レベルで約2倍発現増加することを見出した。 ポリアミンによるBMAL1の合成促進機構を解析した結果、ポリアミンはribosome shuntingを促進し、時計遺伝子BMAL1を翻訳レベルで発現調節し、体内時計を制御していることが示唆された。
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