研究課題/領域番号 |
16K08257
|
研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
竹橋 正則 大阪大谷大学, 薬学部, 准教授 (10378862)
|
研究分担者 |
黒川 優 大阪大谷大学, 薬学部, 助教 (70759761)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 精子幹細胞 / ポリ(ADP-リボシル)化 |
研究実績の概要 |
精子幹細胞の長期培養法が確立され、発生工学、不妊治療および再生医療への利用が期待されている。マウス神経幹細胞やマウス精子幹細胞の長期培養系(GS細胞)を用いたこれまでの研究によって、遺伝子発現制御、DNA修復、染色体の安定性などとの関連が知られているタンパク質翻訳後修飾、ポリ(ADP-リボシル)化がこれら組織幹細胞の増殖や細胞死、DNAのメチル化などに関与する可能性があることを明らかにした。そのうち、マウス神経幹細胞に関する成果を本年度公表した。本研究の目的は、GS細胞特有に働くポリ(ADP-リボシル)化タンパク質を同定し、GS細胞におけるポリ(ADP-リボシル)化の役割をさらに詳細に解明することである。 本年度は、マウス胎児線維芽細胞と比較してGS細胞特有に働くポリ(ADP-リボシル)化タンパク質を同定するために、それぞれの細胞から抽出したタンパク質を、ポリ(ADP-リボース)に対する種々の抗体を用いた免疫沈降法ならびに、ポリ(ADP-リボース)親和性レジンを用いてポリ(ADP-リボシル)化タンパク質の分離をするための条件検討を実施した。この分離したタンパク質を質量分析ならびに二次元元気泳動法を用いて解析し、GS細胞特有の(ADP-リボシル)化タンパク質の候補を絞り込むためには、この分離ステップが重要である。それを踏まえ、培養条件など種々の条件を加味しながら再現性のあるポリ(ADP-リボシル)化タンパク質の分離条件の決定を目指し、検討を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度中に、質量分析および二次元電気泳動を用いてGS細胞特有に働くポリ(ADP-リボシル)化タンパク質の候補を絞り込むことを目的にしていたが、再現性のあるポリ(ADP-リボシル)化タンパク質の単離条件の検討が必要で、そこまでに至っていない。
|
今後の研究の推進方策 |
再現性のあるポリ(ADP-リボシル)化タンパク質の単離条件を定め、質量分析および二次元電気泳動を用いてGS細胞特有に働くポリ(ADP-リボシル)化タンパク質の候補を絞り込む。同定したGS細胞特有のポリ(ADP-リボシル)化タンパク質の候補分子について、遺伝子ノックダウンまたは過発現系、さらにはタンパク機能に関連した種々の変異体を構築し、GS細胞の増殖やDNAのメチル化などの表現型に変化が生じるかについて解析する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度中に、質量分析および二次元電気泳動を用いてGS細胞特有に働くポリ(ADP-リボシル)化タンパク質の候補を絞り込むことを目的にしていたが、再現性のあるポリ(ADP-リボシル)化タンパク質の単離条件の検討が必要で、そこまでに至らなかった。このように実験計画がやや遅れ、予定していた実験が実施できなっかたため。
|
次年度使用額の使用計画 |
この研究費と次年度請求する研究費を合わせて、主に質量分析、細胞培養および一般研究用の試薬、培養用のプラスチック器具などの消耗物品費に使用し、一部、成果発表のための旅費および投稿料などに使用する予定である。
|