研究課題
本研究は、統合失調症の新たな治療標的分子やパスウェイを見出すことを目的として、統合失調症脆弱因子である神経ペプチドのPACAPとその下流のmiRNAによる認知機能や精神行動、それらに関わる神経回路を制御する仕組みをマウスの個体レベルで明らかにし、病態の分子メカニズムの解明を目指すものである。平成30年度は、研究実施計画に基づき、主に以下の成果を得た。・PACAPは、機能的な樹状突起スパインの形成・成熟に寄与するか?PACAP投与2日後の培養21日目の初代培養海馬神経細胞において、NMDA受容体のサブユニットNR1とNR2Bの細胞膜上の発現量が増加することが明らかになった。また、このとき免疫組織化学法を用いて神経細胞を染色したところ、PACAPは、成熟スパインのマーカーであるPSD-95陽性スパイン数を増加させるだけでなく、Synaptophysin陽性プレシナプスと隣接している機能的なスパインを増加させることが認められた。一方、PACAP欠損マウス由来の初代培養海馬神経細胞では、この機能的なシナプスが有意に減少していた。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 4件) 備考 (2件)
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