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2017 年度 実施状況報告書

生体内因子・細胞間相互作用を介した小胞体ストレスと生活習慣病形成機構解明と創薬

研究課題

研究課題/領域番号 16K08271
研究機関広島大学

研究代表者

細井 徹  広島大学, 医歯薬保健学研究科(薬), 准教授 (40379889)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードレプチン / グリア細胞 / 神経細胞
研究実績の概要

肥満は糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病の主な危険因子であり、肥満発症機構の解明は、その治療もしくは予防薬開発において重要と考えられる。レプチンは、主に脳内の神経細胞に作用して摂食抑制効果を示すことで抗肥満作用を起こす。近年、肥満発症の原因の一つとしてレプチンが効きにくくなる状態、すなわちレプチン抵抗性が関わることが示唆されている。本研究では、脳内における細胞間コミュニケーション、特にグリアーニューロンインターラクションのレプチンシグナル伝達に及ぼす影響を明らかにすることでレプチン抵抗性の病態ならびに改善因子の解明を目指した。
検討の結果、グリア細胞由来の分泌因子を神経細胞に処置すると神経細胞におけるレプチンシグナルが増強されることが示された。従って、グリア細胞は神経細胞におけるレプチンシグナル増強因子を分泌している可能性が考えられた。そこで、その因子について検討したところ、IFN-γ処置により、神経細胞におけるレプチンシグナルが増強することが示された。すなわち、レプチンによって誘導されるSTAT3のリン酸化がIFN-γ処置により増強されることが明らかになった。一方、IFN-γシグナル伝達経路の下流で惹起されるSTAT1のリン酸化レベルは、IFN-γ単独処理と比べてIFN-γとレプチンとの共刺激では大きな違いは認められなかった。従って、IFN-γはレプチンシグナルに対する増強因子の一つである可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

脳内におけるレプチンシグナル伝達機構について検討した結果、細胞間コミュニケーション、特にグリアーニューロンインターラクションがレプチンシグナル伝達に重要な役割を担う可能性が示された。また、レプチンシグナル伝達に関わるグリア由来因子候補分子の一つの可能性を示すことができ、おおむね順調に進展していると考えられた。

今後の研究の推進方策

引き続きレプチンシグナルに関わる因子の解明を行いつつ、肥満と密接に関わる糖尿病に関する研究テーマについても取り組む。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [国際共同研究] Institute Cochin(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Institute Cochin
  • [雑誌論文] Endospanin 1 affects oppositely body weight regulation and glucose homeostasis by differentially regulating central leptin signaling.2017

    • 著者名/発表者名
      Vauthier V., Roujeau C., Chen P., Sarkis C., Migrenne S., Hosoi T., Ozawa K., Rouille Y., Foretz M., Mallet J., Launay J., Magnan C., Jockers R. and Dam J.
    • 雑誌名

      Molecular Metabolism

      巻: 6 ページ: 159-172

    • DOI

      10.1016/j.molmet.2016.10.009.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Loss of stearoyl-CoA desaturase-1 activity induced leptin resistance in neuronal cells.2017

    • 著者名/発表者名
      Thon M., Hosoi T., Chanbora C., and Ozawa K.
    • 雑誌名

      Biological and Pharmaceutical Bulletin

      巻: 40 ページ: 1161-1164

    • DOI

      10.1248/bpb.b17-00311.

    • 査読あり
  • [学会発表] Insulin potentiated leptin-induced anti-obesity signal through GRP78 in neurons2017

    • 著者名/発表者名
      トン・ミナ, 細井 徹, 小澤光一郎
    • 学会等名
      第131回日本薬理学会近畿部会
  • [学会発表] 脂肪酸によるレプチン応答性変化の系統的解析2017

    • 著者名/発表者名
      荻野陽平,田中智洋,金子賢太朗,園山拓洋,Guo Tingting,雲財知,小山博之,青谷大介,今枝憲郎,細井 徹,中尾一和
    • 学会等名
      第38回日本肥満学会
  • [学会発表] 小胞体ストレス応答シグナルIRE1-XBP1経路に対するプロテインキナーゼCの影響2017

    • 著者名/発表者名
      森本純加,細井 徹,末澤隆宏,櫨木薫,櫨木 修,小澤光一郎
    • 学会等名
      第56回 日本薬学会 日本薬剤師会 日本病院薬剤師会 中国四国支部学術大会

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公開日: 2018-12-17  

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