様々な原因遺伝子で発症する脊髄小脳失調症(SCA)の共通の発症分子機序を解明するため、中性脂質を貯蔵する細胞小器官である脂肪滴(Lipid droplet, LD)に注目し解析を行った。SCA21、SCA34、SCA38及びSCA3の原因となる変異タンパク質をHeLa細胞に発現させると、野生型タンパク質発現時と比較してLD数の減少が観察された。一方、SCA14変異タンパク質を発現させると、逆にLD数は顕著に増大した。SCA原因タンパク質発現によりいずれもLD数が変化したことから、細胞内の脂質代謝異常が様々な遺伝子異常で発症するSCA発症の共通の分子基盤となることが示唆された。
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