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2017 年度 実施状況報告書

基礎と臨床を橋渡しするヒト血清と培養細胞を用いた新たな漢方薬理研究法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K08292
研究機関東北大学

研究代表者

沼田 健裕  東北大学, 医学系研究科, 助教 (20748678)

研究分担者 大場 浩史  東北大学, 医学系研究科, 助教 (70726710)
高山 真  東北大学, 大学病院, 准教授 (80579954)
菊地 章子  東北大学, 医学系研究科, 助教 (00400325)
金子 聡一郎  東北大学, 大学病院, 助教 (60749266)
笠原 好之  東北大学, 医学系研究科, 助教 (20511835)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード臨床研究 / 基礎研究 / 細胞実験 / 動物実験 / アルコール代謝 / 黄連解毒湯
研究実績の概要

本研究課題の最終的な目的は、臨床研究においてヒトに漢方薬を投与し効果を検証する一方で、細胞実験や動物実験といった基礎研究を並行しておこなうことで、基礎と臨床の橋渡しとなる新たな実験モデルの開発を行うことであった。
当初の計画では初期の2年間で臨床研究を進めることとしていたが、実際には利益相反委員会や倫理委員会の承認を得るために、想定を超えた時間や労力を要し、臨床研究とそれに伴う細胞実験を開始できていない。平成29年度内に倫理委員会の承認は得られたために、30年度には順に臨床研究と細胞基礎実験を進めてゆく予定である。当初計画のプロトコールに対して、倫理委員会より指導を受け、オープンラベルではなくクロスオーバーによる二重盲検ランダム化比較試験、また閉眼片足立ち時間ではなく、重心動揺検査をすることとなった。
一方、動物実験については順調に遂行できたためその実績概要を以下に示す。
アルコール摂取に対する黄連解毒湯の効果を評価する目的で、C57BL6/J雄マウスに対して、黄連解毒湯を経口投与した1時間後にアルコールを経口投与し、アルコール投与後30分および1時間後における血中アルコールの濃度の測定を行った。アルコールは8%濃度と15%濃度の両方を評価した。黄連解毒湯の対照群には水を同量投与した。本検討の結果、黄連解毒湯の投与によっては血中アルコール濃度には変化は見られず、本検討では効果を見出すことは出来なかった。今後は肝臓におけるアルコール代謝遺伝子の発現や、ふらつき行動の回復時間など、異なった評価軸での検証も合わせて行う必要があると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

ヒト対象の臨床研究のプロトコールが倫理委員会を通過するのに、大幅な時間がかかったこと。また、倫理委員会の承認を得たのちには、臨床研究法の問題も重なり、研究実施に困難が伴った。
動物実験については、黄連解毒湯+アルコール投与実験は終了しているため、今後は肝臓や脳の標本を対象として解析を進めたい。

今後の研究の推進方策

倫理委員会の指導を受け、当初はオープンラベルで黄連解毒湯+アルコール投与の介入とアルコール投与のみの介入の2試行をおこなう計画であったが、乳糖を偽薬として用いるクロスオーバーによる二重盲検ランダム化比較試験をおこなうこととなった。また同様に、閉眼片足立ち時間もより客観性の高い重心動揺検査をすることとなった。研究としてより高いレベルのものを目指すことができるようになった一方で、新たに偽薬作製や検査機器・解析ソフトなどが必要となった。早期に準備を進めて、臨床研究実務を開始したい。
動物実験については、黄連解毒湯+アルコール投与実験は終了しているが、肝臓や脳の標本に対する解析は開始していない。今後はアルコール代謝遺伝子の発現などをターゲットとして解析を推進したい。

次年度使用額が生じた理由

先に示した理由により、現在までの進捗状況は遅れており、大きく支出が必要となる謝金や検査費用、細胞実験関連費用が使われていない。
平成30年度にヒト対象の臨床研究を開始することにより、上記の支出が生じるため使用額が増えてくることが見込まれる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 備考 (2件)

  • [備考] 沼田健裕助教が日本東洋医学会奨励賞を受賞

    • URL

      http://www.med.tohoku.ac.jp/news/3190.html

  • [備考] 医学科4年生らの英論文がTraditional & Kampo Medicineに掲載

    • URL

      http://www.med.tohoku.ac.jp/news/3192.html

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公開日: 2018-12-17  

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