我が国の漢方薬による医療を継続させるためには、その原料である生薬の安定的供給が必要となる。そのためには生薬の品質を客観的に評価できる手法の確立が求められるため、本研究では、その手法の一つであるNMRメタボロミクスの有効性について検討した。その結果、モデル生薬として用いたカンゾウは、その種の違いを区別することが可能であり、ケイヒについては食用と局方品とを識別することが可能であった。それに対してシャクヤクは産地ごとに分類することができなかった。シャクヤクについては前処理の必要性が示唆された。本研究によって、NMRメタボロミクスは生薬の品質評価方法として有効であることが確認できた。
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