• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

特異な環骨格を有するリモノイドを基盤とした医薬シードの開発と機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K08309
研究機関星薬科大学

研究代表者

森田 博史  星薬科大学, 薬学部, 教授 (70220069)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードリモノイド / ceramicine / センダン科 / 脂肪細胞分化抑制
研究実績の概要

マレーシア産 Chisocheton ceramicus に主成分として含有される ceramicine B (Cer-B) の脂肪細胞分化抑制作用を中心に検討した。この分化抑制には PPARγ のタンパク発現の抑制が関与していることが明らかとなり、Cer-B 添加から短時間で ERK のリン酸化が有意に増強された。
今までの構造情報より、B 環部の5, 6, 7位周辺の立体的構造情報が活性発現に重要であると考えられた。Cer-B の6位水酸基の異性体、デヒドロ体、エステル体、エーテル体などを合成した。さらに、Cer-B にセミピナコール転移反応を行うことにより、新しい環縮小骨格を有する化合物を合成した。構造活性相関の解析のため、Cer-B を用いた環骨格変換を行った。
さらに、新たに採集したマレーシア産 Chisocheton ceramicus を用いて、リモノイドの探索研究を行ったところ、新規リモノイドとして Ceramicines M-P の4種を単離し、それらの構造を解明した。なかでも、ceramicine O は、Cer-B を上回る脂肪滴蓄積抑制作用を示した。作用機序の解明と新たな創薬素材分子を設計中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

既にceramicine B の脂肪細胞分化抑制の作用機序を検討して、その抑制機構を推定した。また、詳細な成分の検討とアナログ合成により、各種の誘導体作成の検討を開始した。また、新たなセンダン科植物由来のリモノイド探索に着手し、Cer-B を上回る脂肪滴蓄積抑制作用を示すceramicine Oを発見した。

今後の研究の推進方策

Ceramicine B の脂肪細胞分化抑制、メラニン産生抑制作用の作用機序を検討する。また、構造活性相関の解析を行うために、ceramicine Bを用いた環骨格変換を行うことにより、新たな創薬素材分子を設計する。確立したスクリーニング系を活用して、アナログ体の活性評価を行うと同時に、さらに新たなリモノイド類の探索を行う。

次年度使用額が生じた理由

実験等の研究過程で当初予想したものと異なる結果がでたことにより、研究対象を広げたりするなど、研究方法の一部を見直す必要が生じたため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Ceramicines M-P from Chisocheton ceramicus: isolation and structure-activity relationship study2018

    • 著者名/発表者名
      Alfarius Eko Nugroho, Akiyo Hashimoto, Chin-Piow Wong, Hiromasa Yokoe, Masayoshi Tsubuki, Toshio Kaneda, A. Hamid A. Hadi, Hiroshi Morita
    • 雑誌名

      J. Nat. Med.

      巻: 72 ページ: 64-72

    • DOI

      10.1007/s11418-017-1109-2

    • 査読あり
  • [学会発表] センダン科 Chisocheton ceramics の成分研究2017

    • 著者名/発表者名
      吉川夏生、岡部真里佳、Alfarius Eko Nugroho 、小室智之、Chin Piow Wong 、平澤祐介 、金田利夫、A.Hamid A. Hadi、森田博史
    • 学会等名
      日本生薬学会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi