現在、アルツハイマー病をはじめとした神経変性疾患の治療薬の開発が世界中で行われているが、そのほとんどは原因物質と考えられているアミロイドβタンパク質を消去する薬剤であり、全て臨床試験段階で頓挫しているのが現状である。それに対して我々の研究は、失われた脳神経を「再生させる」ことを目標にして、神経幹細胞からニューロンへの分化を誘導する神経分化誘導物質の開発を行うことを目標にしている。今回の研究成果から、ニューロンへの分化誘導活性を高めた幾つかの化合物を見出しており、さらに活性を高めることができれば全く新しい視点からの治療法を提案できる可能性がある。
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