研究課題/領域番号 |
16K08330
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
小島 直人 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (90420413)
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研究分担者 |
山下 正行 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (20239982)
岩崎 宏樹 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (70582592)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 抗がん剤 / バンレイシ科アセトゲニン類 / 構造活性相関研究 / 有機合成化学 |
研究実績の概要 |
診断技術や外科的手術の技術の進歩は目覚ましく,従来では発見し得なかった微小ながんを発見し,低侵襲な外科的手術により「がん」を根治できる症例は飛躍的に増加してきている.一方,発見が遅れ,既に手術による治療が困難である場合の選択肢として,化学療法剤による治療がある.この分野も近年,分子標的薬開発の飛躍的な発展により,最も問題であった副作用を抑えた薬剤が次々と開発されている.しかしながら,全てのがん細胞に対して有効な万能な分子標的薬は未だ存在していない.従って,新しい作用機序を有する抗がん剤の開発は,薬学研究者にとって重要な研究課題の一つである. 研究代表者らは,熱帯・亜熱帯産のバンレイシ科植物より単離されるアセトゲニン類と呼ばれるポリケチドの共通構造であるγ-ラクトン環を種々の複素環に置換することにより,新規な抗がんリード化合物の創製研究を展開してきた.これまでに100種類以上のハイブリッド型アセトゲニン誘導体を合成し,そのヒトがん細胞増殖抑制活性の評価を行ってきたが,これまでに合成した誘導体のTHF環部分の立体化学は,いずれも天然に最も良く存在するthreo/trans/threo型のもののみであり,THF環部分の立体化学が生物活性にどのような影響を及ぼすかは全く不明である.そこで,様々な立体化学を有する誘導体の合成を行い,それらの生物活性を評価することを計画した.前年度までに8種の立体異性体の合成に成功し,C17-18位の立体化学が活性発現に重要であることを見出した。今年度はその結果を踏まえて検討を進め,以下の成果を得た. (1)THF環部分の構造を簡略化した新規誘導体を設計し、その合成に必要な二つのフラグメントの合成経路を確立した. (2)合成したフラグメントのカップリングを検討し,目的とするTHF環部分の構造を簡略化した新規誘導体を合成することに成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記載のとおり,新規誘導体の合成を完了したため.
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今後の研究の推進方策 |
今年度得られた知見を基に,様々な構造を持つ誘導体の合成を展開する。合成した誘導体の生物活性を評価し,活性発現に必須となる構造単位を明らかにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 前年度までに購入した試薬を残量を有効利用することができたため. (使用計画) 今年度の研究結果から,新たに合成を検討すべき誘導体が見出されたため,当初の計画にあった誘導体の合成と並行して,それらの誘導体の合成も実施するために使用する予定である.
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