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2017 年度 実施状況報告書

抗ベロ毒素IgA抗体の構築を目指したMHC結合性ペプチド含有ワクチンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K08344
研究機関静岡県立大学

研究代表者

黒羽子 孝太  静岡県立大学, 薬学部, 講師 (90333525)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードワクチン / 粘膜免疫 / IgA / リポソーム
研究実績の概要

免疫原性が低く抗原性を示さない抗原に対しても、粘膜免疫を効果的に誘導するワクチンおよび経口投与可能な治療用分泌型IgAの開発を目的としている。腸管出血性大腸菌O157:H7が産生するベロ毒素を構成する糖鎖認識サブユニット (Stx1B) は宿主細胞との結合を担っている。Stx1Bをワクチンとして用い、特異的抗体が誘導できればベロ毒素による障害を防ぐことが出来る。しかしながら、Stx1Bに対する抗体産生誘導は困難であることが知られている。これは抗原提示細胞の主要組織適合遺伝子複合体 (MHC) クラスⅡへ抗原由来のペプチドが提示されにくいためである。
そこで、T細胞エピトープを有し、さらにMHCクラスⅡに提示されるペプチド (T細胞エピトープ含有MHCクラスⅡ結合性ペプチド、TMB-peptide) に着目した。Stx1BとTMB-peptideを共存させたリポソームワクチンを開発し、効率的な免疫賦活化を目指している。さらに、免疫されたマウスからハイブリドーマを作製してIgAを構成する遺伝子を獲得し、動物細胞に導入することで分泌型IgAの構築を目指している。
T細胞受容体が認識するエピトープを考慮して選択したTMB-petideあるいはOvalbumin (OVA) をリポソームに内封し、表面にStx1Bを修飾し、MHCクラスⅡのハプロタイプの異なるマウスに免疫して、その効果を検討している。さらに、これまでStx1Bを抗原として経鼻免疫したマウスの鼻咽頭関連リンパ組織を用いてIgAを産生するハイブリドーマを作製し、IgAを構成する遺伝子を獲得してきた。しかしながら得られたIgAはStx1Bとの結合性が低いことから、免疫回数やリポソームワクチンの投与量などを増やすことで、アフィニティー成熟を経たリンパ組織から抗体遺伝子の獲得を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リポソームワクチンを調製し、MHCクラスⅡのハプロタイプの異なる種のマウスに免疫して免疫応答の賦活化を目指している。さらには、免疫したマウスのリンパ組織を用いて抗体遺伝子を獲得し、in vitroでの抗体の構築を検討している。おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

リポソームワクチンの調製、免疫方法については確立している。免疫されたマウスから鼻咽頭関連リンパ組織を回収してMagnetic Cell Sorter (MACS)、あるいはCell Sorter (BD, FACSAriaⅡ) を用いて表面にIgAを発現したB細胞を回収しハイブリドーマを作製している。免疫回数やリポソームワクチンの投与量などを増やすことで、アフィニティー成熟を経たリンパ組織から抗体遺伝子の獲得を検討しているが、さらに詳細な条件検討を行うことで、より抗原親和性の高い抗体の獲得を目指す。
また、リポソームワクチンの調製方法は確立しているが、さらに簡便に作製する方法を検討する。

次年度使用額が生じた理由

年度末の予算執行において、残額が少額であったため、次年度分と併せて使用した方が有効に執行できると思われたため。
次年度使用額分は、次年度の物品費として併せて使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] FITC誘導接触性皮膚炎マウスモデルにおけるFITC特異的抗体産生2018

    • 著者名/発表者名
      黒羽子孝太、遠藤由貴奈、今井康之
    • 学会等名
      日本薬学会第138年会
  • [学会発表] FITCを用いた経皮免疫による抗FITC抗体の誘導2017

    • 著者名/発表者名
      遠藤由貴奈、黒羽子孝太、今井康之
    • 学会等名
      日本病院薬剤師会東海ブロック・日本薬学会東海支部合同学術大会2017

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公開日: 2018-12-17  

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