ベロ毒素の糖鎖認識サブユニット (Stx1B) は抗原性が低く、抗体誘導が困難であった。抗原性の増大を目的として、主要組織適合遺伝子複合体クラスⅡに提示されT細胞を活性化するペプチドと、Stx1Bを共存させたリポソームワクチンを作製しマウスに経鼻免疫した。ペプチドの効果についてはさらに検討が必要であったが、Stx1Bのリポソーム化による抗原性の増大が確認できた。Stx1Bで免疫したマウス由来のリンパ組織を用いてハイブリドーマを作製し、抗体遺伝子を獲得した。さらに、毒素中和活性を持つ抗Stx1B分泌型IgAを得ることが出来た。
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