黄色ブドウ球菌毒素Staphylococcal superantigen like(SSL)は宿主の免疫関連因子を標的とし免疫回避に関与すると考えられているが,14種のSSLのうち一部しか機能が明らかにされていない.本研究ではSSL12が単独でマスト細胞の脱顆粒,サイトカイン産生を誘導し,in vivoにおいて血管透過性の亢進を引き起こすことを見出した.またプロトロンビンに結合し,血液凝固を抑制するSSL10のプロトロンビン結合部位,IgGに結合し,補体活性化を阻害するSSL10のIgG結合部位,MMP-9に結合しプロテアーゼ活性を阻害するSSL5の酵素活性阻害に関わる領域を明らかにした.
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