本研究では結核菌生菌特異的な宿主細胞傷害活性について活性因子の精製と細胞死の解析を行った.細胞傷害活性は感染細胞の培養上清の濾液中にも認められることから各種カラムを用いた細胞傷害活性因子の精製を進め,LC-MS/MSの結果からMascot検索し,RD1領域にコードされているESX-1から分泌される因子が推定された.RD1欠損株では細胞傷害活性が減弱したことからもRD1領域が細胞傷害活性に重要な役割を果たしていることが示された.結核菌生菌による細胞死の解析では,パイロトーシスの特徴であるcaspase-1依存的であり,炎症性サイトカインの産生を伴う細胞死であることが示された.
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