2011年~18年の間にMRSAの主流はHA-MRSAからCA-MRSAに置き換わった。CA-MRSAはバイオフィルム形成能が極めて高く、院内に拡散し定着した。CA-MRSAは低年齢層から分離され、Ⅱ・Ⅲ期では皮膚感染症に関わる毒素であるedn, eta遺伝子を同時に保有する株が小児の皮膚科領域で複数株検出たのに加え、PVLを産生株も複数個見出された。特にⅢ期ではpvlとacme遺伝子を同時に保有する強毒株のUSA300株が今回の調査では初めて検出された。新たなリスクファクターを有するCA-MRSAが小児科・皮膚科で拡大することが懸念され、CA-MRSA有効な院内感染対策の構築が求められる。
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