研究課題/領域番号 |
16K08382
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
佐藤 光利 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (60231346)
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研究分担者 |
松井 勝彦 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (20257140)
佐藤 陽治 国立医薬品食品衛生研究所, 再生・細胞医療製品部, 部長 (40312285)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 血管新生 / 細胞組織製品 / 安全性保証 |
研究実績の概要 |
平成29年度の研究計画に従って実施し、「ヒト間葉系幹細胞の心筋分化および血管新生関連マーカー探索」について下記の研究成果を得た。 1.複数細胞ロットによる性質の違いに関する検討:骨髄由来hMSC(継代数9(PS#9))を通常条件または擬似的虚血条件(酸素濃度1%、グルコースなし)において24時間培養し、細胞および培養上清を回収した。RT2 Profiler PCR Arrayを用いて血管新生関連サイトカイン遺伝子発現量を測定し、虚血後において遺伝子発現が有意に上昇したサイトカインに対しては、ELISAにより培養上清中のサイトカイン濃度を測定した。6ロット(A, B, C, F, G, H)について同様の実験を行い、虚血状態におけるhMSCから放出される血管新生関連サイトカインの種類および分泌量を検討した。 2.RT2 Profiler PCR Arrayを用いた血管新生関連サイトカイン遺伝子発現量の測定:RT2 Profiler PCR Arrayにより84種類の遺伝子発現量を検討したところ、虚血後におけるhMSCでは、アンジオゲニン、レプチン、胎盤成長因子(PlGF)、β1型形質転換成長因子(TGF-β1)、血管内皮細胞成長因子(VEGF)の遺伝子発現に有意な上昇が見られた(p<0.01)。 3.幹細胞の分化・増殖等を制御するパラクライン因子および生理活性物質の探索:サイトカインについてELISAを行ったところ、VEGFについては生理的レベルに相当する分泌量および虚血時における有意な分泌上昇が認められた。このことから、虚血条件下で発現が増加するサイトカインの中で、VEGFは主要なものであることが示唆された。一方、虚血条件下におけるhMSCのVEGF分泌については有意なロット差が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度研究に関しては、交付申請書に記載した「研究目的」に基づいて研究がなされており、研究実績の概要に記載したように平成29年度研究成果は予定どおり達成されている。 平成29年度に得られた研究成果については、第19回応用薬理シンポジウムにて学会発表を行なった。また、これまで得られている研究成果と合わせて明治薬科大学研究紀要に論文としても報告している。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者ならびに研究分担者の努力により、交付申請書の研究実施計画に従った研究がなされており、今後も当初の研究実施計画に従って研究を実施していく予定である。 本研究は、研究代表者および2名の研究分担者による共同研究であり、共同研究者と研究成果について頻繁に連絡をとることにより研究を推進する。また、必要に応じて研究報告会議を開催するなどの措置を検討することにより本研究を遂行していく。 また、平成29年度に得られた研究成果においても平成28年度と同様に学会発表を行ない他研究者とも情報を交換することにより研究を促進する。 細胞組織製品を実際に使用するには様々な安全性に関する検討が必要になる。これまでの成果に加えてがん化細胞の検出試験など、さらに行なうべき安全性試験についても検討していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 分担研究者 松井勝彦 博士が、平成28年度および平成29年度経費の一部を使用しなかったため繰越金が発生した。 (使用計画) 実施計画に従った研究を遂行するため補助金を物品費として使用する。また、分担研究者 松井勝彦 博士 分担研究費の平成29年度残額は、平成30年度研究費に繰り入れる。研究を推進することも含めて平成30年度も研究を実施し、物品費、学会発表の旅費として、また、研究補助のための人件費・謝金として使用予定である。平成30年度も研究をさらに実施し成果を上げるよう分担者にも周知する。
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