アトピー性皮膚炎病態の中には既存の治療薬に抵抗な難治性アトピー性皮膚炎が存在する。本疾患は「増悪期」と「寛解期」が周期的に繰り返されることから、それに伴い皮膚のマイクロバイオームも周期的に変化する。真菌マラセチアは本症の増悪因子の一つであるが、その細胞傷害性を低下させる能力を有する細菌としてStaphylococcus sp. MPU-7を分離した。皮膚角化細胞を用いた検討から当該菌株は、マラセチアによる細胞傷害能を低下させるのみなならず皮膚バリア機能関連タンパク質および抗菌ペプチドの発現を上昇させた。本菌株は、皮膚マイクロバイオーム移植の候補となりうる可能性が考えられた。
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