本研究において、STAT3の遺伝子多型(rs4796793)の遺伝子型CCを有する患者は、mTOR阻害薬に起因する間質性肺疾患の発症リスクが高いことを明らかにした。また、基礎的検討により、ヒト肺がん細胞はSTAT3の遺伝子多型(rs4796793)の遺伝子型により、エベロリムス曝露後のEMT関連マーカーの発現および関連シグナル因子の活性変動パターンが異なることを明らかにした。 分子標的治療薬による間質性肺疾患のメカニズムにSTAT3が関与する可能性が示唆された。今後の詳細な検討を行うことにより、STAT3遺伝子多型が間質性肺疾患の事前予測因子となることが期待される。
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