急性腎障害は白金系抗がん薬の副作用として臨床上大きな問題となっている。血清クレアチニンは残存腎機能の指標であることから、急性腎障害の早期発見を目的に、尿中バイオマーカーの探索を行った。肺癌薬物療法施行患者17名より尿並びに血液検体を回収し、尿中バイオマーカー候補タンパク質並びに臨床経過を解析した結果、尿中のNGAL、MCP-1及びKIM-1濃度の上昇と白金系抗がん薬投与後の急性腎障害発症に関係性が示され、KIM-1は高感度であることが明らかとなった。従って、白金系抗がん薬を含む肺癌薬物療法において、急性腎障害発症を早期予測するための指標として、尿中のKIM-1の有用性が示唆された。
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