研究実績の概要 |
ラパマイシン(100 nM)およびエベロリムス(100 nM)を1時間処理することによって、phospho-p70 S6 kinaseと考えられるバンドはほぼ消失した。このことから、各薬液の処理濃度としては、100 nMで十分であると考えられたが、さらに最適化を目指して、薬液処理の濃度および時間等の条件を検討した。その結果、妥当な濃度および時間を明らかにした。また、Total S6 kinaseの発現量は、両薬物によって違いが認められたことから、詳細な密度解析を行ったが、明確な違いを見い出すことはできなかった。 mTORシグナルの下流に位置するp70 S6 kinase(Thr389) のリン酸化の評価は、ラパマイシンおよびエベロリムスを含むメディウムで処理したが、さらに最適化を目指して、薬液処理の濃度および時間等の条件を検討した。さらに、各種カルバペネム系抗生物質およびセフェム系抗生物質を曝露することで、mTORシグナルおよび栄養素トランスポーターへの影響を確認した。 BeWo, JEG-3細胞などの胎盤モデルの他、妊娠ラットおよびストレプトゾトシン誘発糖尿病ラット胎盤を用いて、DNAメチル化、ヒストン脱アセチル化解析をバイサルファイト反応キットおよびBisul Taq DNA Polymeraseを用いて検討した。 最終年度は本補助事業期間を延長し、mTOR活性化と各種栄養素トランスポーター発現との直接な関連を評価するために、リン酸化S6タンパク質と各種栄養素トランスポーターを同時に蛍光標識し、両者の局在について比較・検討した。
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