研究課題
基盤研究(C)
難治化した末梢性顔面神経麻痺には効果的な治療法が確立されていない。本研究は、顔面神経損傷部位での生理活性脂質プロスタグランジン類に着目し、本疾患に対し新たな治療法の基盤の確立を目指した。マウス末梢性顔面神経麻痺モデルを用いた薬理学的な解析の結果、顔面神経の損傷部位におけるプロスタグランジンF2α過剰産生が、麻痺の治療抵抗因子として寄与していることが明らかになった。本研究により、プロスタグランジンF2αの阻害が、末梢性顔面神経麻痺の新たな治療法として有用である可能性が示唆された。
薬理学
末梢性顔面神経麻痺は、脳神経麻痺の中で最も頻度の高い疾患であり、難治症例に対する治療法は確立されていない。本研究では、顔面神経麻痺の回復過程において、生理活性脂質PGF2αが麻痺の治療抵抗因子として寄与していることを明らかにした。本研究成果は、末梢性顔面神経麻痺の難治化に対して、PGF2α阻害に着目した治療戦略が有効である可能性を示唆しており、学術的・社会的にも意義のある新しい知見であった。