研究課題
【方法】2013年1月から2015年3月までに愛知医科大学病院小児科を受診した入院時またはIVIG投与前の川崎病患者全例のうち同意の得られた97例のうち不完全型22例を除外し、測定できた完全型75例のPTX3、Presepsin、NT-proBNPの検査値と急性期冠動脈病変と冠動脈後遺症の相関関係について検討した。検査値の予測能力を測るため重症度と相関のあるIVIG投与回数について検討した。【結果】(1)急性期冠動脈病変の3者のAUCはそれぞれ0.6868、0.5395、0.5553で、冠動脈後遺症の3者のAUCはそれぞれ1、0.6728、0.5309であった。冠動脈病変急性期障害のPTX3の特異度63.04、感度72.73の時にカットオフ値を19.1とし、その尤度比は1.968であった。冠動脈後遺症のPTX3の特異度98.21、感度100の時のカットオフ値は68.85であり、その尤度比は56であった。(2)独立t検定における急性期冠動脈病変のPTX3、Presepsin、NT-proBNP のp値は0.0062、0.9126、0.9176であり,冠動脈後遺症の3者のp値は0.0001以下、0.3442、0.4388であった。PTXのみ冠動脈病変急性期障害,冠動脈後遺症と統計学的有意差があり相関関係が見られた。(3)3者のr値(相関係数)は0.5398、0.01893、0.05664となりPTXのみIVIg回数と統計学的相関関係が見られた。【考察】sCD24-ST(Presepsin)、NT-proBNPと冠動脈病変との相関関係が見られず自然免疫系の過剰な活性化によってもたらされるPTXの値のみが冠動脈病変と相関関係が見られ診断マーカーとして最も有用であった。
3: やや遅れている
新たなmarker候補が出てきて、現在、測定法の確立に努めている。これらを組み入れた倫理委員会での承認が得られていなくて、臨床試験に入っていない。未使用金978,122円は、当初予定の臨床試験費用と既存の外注の依頼費用として確保してあったもので、これは新たなバイオマーカー測定の費用として使用し、測定系の確立後に、倫理審査に進んでいく予定である。
川崎病患者に行けるCell free DNAを測定したところ、IvIg治療前の川崎病患者では、正常・非川崎病患者に比較して特異的に高値であった。また、治療前後のCell free DNA値の比較では、治療後には、正常集団の値近くまで低下している。測定値と重症度との関係を前向きに検討していきたい。
新たなmarker候補が出てきて、病態マーカーの観点からは、TRAPsに関連したペントラキシン3関連の測定系の確立が必要になった。現在、測定法の確立に努めている。これらを組み入れた倫理委員会での承認が得られていなくて、臨床試験に入っていない。未使用金978,122円は、当初予定の臨床試験費用と既存の外注の依頼費用として確保してあったもので、これは新たなバイオマーカー測定の費用として使用し、この測定系の確立と、それを加えた臨床試験実施のための費用が生じた。研究協力者との討議のための国際学会参加の必要性が生じた。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
International Journal of Hematology
巻: 108 ページ: 192~198
10.1007/s12185-018-2444-0