研究課題
苦味受容体hTAS2R14とジフェンヒドラミン(DPH)、Asp-AspまたはGlu-Gluの相互作用を調べるため分子モデルシュミレーションを行った。hTAS2R14モデルはヒトCCケモカイン受容体タイプ9、CCR9(pdbコード:5lwe)の構造に基づいて作成した。Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)を用いて評価するとhT2R14のアミノ酸配列と同一性が22%、類似性が44%と示された。リガンドドッキングする構造を決定するためにProtein Preparation Wizardを使用し、受容体の細胞外部位に結合ポケット領域を同定した。DPH、Asp、Asp-Asp、GluおよびGlu-Gluの5つの化学構造がそれぞれChemDrawで描画され、LigPrepモジュールを使用して3次元プロパティを適用した。分析により、DPHはF47、W119およびI122と疎水性相互作用、またS55と静電相互作用があることがわかった。一方、N123、Y270、S274、Y302、Q296との静電相互作用、およびW119との弱い疎水性相互作用が形成され、シュミレートした構造内にAsp-Aspがドッキングした。Glu-GluもAsp-Aspと同様に静電相互作用と弱い疎水性相互作用を形成した。DPHと比較してGlu-Glu、Asp-Aspの方が疎水性相互作用より強い静電相互作用の結合様式を多く持っていることが明らかであり、この事実は平成30年度に実施した速度論的解析の結果と矛盾しなかった。さらに、構成アミノ酸Asp、Gluについても他の単独アミノ酸との苦味抑制効果をセンサで確認し、アミノ酸のpHが苦味抑制に関与していることを確認した。また3残基以上の旨味ぺプチドをPLGAと結合させてミセルを形成させる苦味抑制システムについては現在構築中である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件)
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