研究課題/領域番号 |
16K08434
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
岡田 浩 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (10533838)
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研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
恩田 光子 大阪薬科大学, 薬学部, 教授(移行) (60301842)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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キーワード | 薬局 / 生活改善支援 / 生活習慣病 / 薬剤師 / 糖尿病 / 高血圧 |
研究実績の概要 |
【研究成果】 1.海外現状の調査: 2017年度実施成果:海外薬局での健康支援・慢性疾患管理の現状について、アルバータ大学(カナダ)、シドニー大学、クイーンズランド工科大(オーストラリア)、オークランド大学(ニュージーランド)の協力を得て、各地での薬局での慢性疾患管理について調査を行った。オーストラリア、カナダでは、薬局が糖尿病患者の支援を医師・薬剤師が専門に行う施設など、従来の薬局とは異なる機能を持つ薬局も見られた。
2.簡便な健康支援プログラムの作成: カナダ、アルバータ大学EPICOREセンターの協力を得て、同研究室が薬局薬剤師向けに慢性疾患患者の指導のために開発したWebプログラム: RxING Practice Toolをベースにして、日本でも実施可能な簡便な患者支援プログラムを開発した。RxING Practice Toolを日本語版を作成し、薬局での健康サポートを薬剤師が実施するため、「高血圧」・「糖尿病」・「禁煙」の3つの分野について、具体的で簡便な介入プログラムとそれに関連した資料をに開発した。また、開発した本プログラムを実施するために、薬剤師の健康支援について、日本の薬剤師向けに、全体で4時間の糖尿病患者向けの健康支援の研修を開発した。
【研究の意義と重要性】「健康サポート薬局」は始まったが、健康サポートを行うための「患者支援プログラム」と「薬剤師への研修」の2つの開発が必要である。本研究により開発された患者支援プログラムは、来年度実施する臨床研究でその有効性が確認されれば、薬剤師の患者支援の質を担保するものとして活用される可能性もある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、国内、海外での実態調査と教育プログラムの開発を並行して実施した。当初、調査が遅れ気味であったものの、現在はおおむね順調に進んでいる。
昨年度から継続していた「国内外の実態調査」は、本年度中に国内外の共同研究者からの協力を得て、順調に実施できた。本年度に予定していた、「薬局での健康支援プログラムの開発」と「患者教育資材の開発」についても、予定よりも遅れたものの年度内に開発を行うことができた。それらの開発したプログラムと資材を実施するための「薬剤師向け研修の開発」については、プログラムは開発できたものの、実施するためには何度か少人数で研修を実施して、改善する必要があるが、開発だけでテスト実施はできなかった。 全体としては、海外研究者からの支援も得ることができたこともあり、順調に研究とプログラムの開発を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までに開発した「薬剤師による薬局での健康支援プログラム」を、実際に国内薬局で小規模の介入研究を実施し、プログラム効果を検証する。また、本年度までに国内外で実施した薬局での実態調査等につても学会、学術誌等に報告を行う。 介入研究実施に関しては、本年度末に全国数か所で研究参加の説明会を実施でき、研究実施協力施設を得ることができたものの、参加薬局の研修日程の調整等のため、本年度の研究開始時期が多少遅れることが見込まれている。 具体的な研究計画は以下の通り、1.研究説明会・薬剤師研修:5-6月、2.患者登録・患者支援開始:7-8月、3.患者支援実施:8-1月、4.研究終了:2月、5.研究結果解析、報告書作成:3月。
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次年度使用額が生じた理由 |
患者支援プログラムの開発と検証のための介入研究準備が多少遅れたため、前年度に予定していた資材の準備などが年度内に間に合わず、残額が生じた。本年度中に介入研究は開始され、研究全体は問題なく事前の計画通り実施される予定である。
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