本研究ではMlc1-tTAマウスの解析を通じて、その疼痛関連行動と原因遺伝子を解析することにより、新たな疼痛発生・伝達メカニズムの解明を目指した。Mlc1-tTAマウスでは、染色体8qB1.1の領域の3つの遺伝子の発現が欠損しており、また骨髄において顕著な構造異常が認められた。そこで骨髄由来のマクロファージを培養し、免疫応答や貪食能を検討した結果、野生型と比べて特に貪食能の異常が認められた。以上の結果より、Mlc1-tTAマウスでは骨髄由来の免疫細胞の機能異常が認められ、その結果、各種侵害刺激に対しての反応の差異が発生していると考えられる。
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