研究課題/領域番号 |
16K08455
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
木南 利栄子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (60163672)
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研究分担者 |
薗村 貴弘 朝日大学, 歯学部, 准教授 (40347092)
本間 智 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40285581)
上村 守 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (30351472)
安高 悟 金沢医科大学, 医学部, 助教 (30139787)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ヒト脳 / 海馬 / 脳血管 / パラフィン連続切片 / 三次元再構築 |
研究実績の概要 |
精神・行動の障害や神経系の疾患患者の6~7割は、脳内の中でも海馬の細胞変性に何らかの関係を持っている。その多くは虚血などによる海馬の血流量の変動に影響を受けていると考えられているが、ヒトの海馬は、吻尾方向に分節状の楕円隆起を持ち、構造が非常に複雑なため、海馬の構造が未発達で単純な実験動物を用いた従来の研究によって、ヒトの精神・行動の障害や神経系の疾患と、海馬細胞の変性の関係性を論じることはかなり困難である。 加えて、これまでの海馬の研究は、血管は血管のみで、海馬実質は海馬実質のみで、それぞれ別個に研究が進められており、それらを 相関させる研究はほとんど存在していなかったため、ヒト海馬の複雑な構造に侵入する血管を正確に解析されていなかった。そこで、我々は篤志献体されたヒトの脳を用いて、ヒト海馬に特異的に見られる分節状の楕円隆起と、血管の走行の関連性を詳細 に観察することを試みた。まず、ヒト脳を10%ホルムアルデヒドで固定した後、海馬を切り出してパラフィン包埋し、連続切片を作製し、HE染色後にバーチャルスライドシステムを用いて網羅的にデジタル化し、三次元再構築ソフトウエアAmiraを用いて、海馬実質の層構造と、これに侵入する血管の走行を三次元的に明らかにしている。これまで8例の御献体で解析 を進めているが、血管壁の血管内皮細胞と中膜の一部が剥離するため、血管造影剤を用いて、血管壁を生体により近い状態に保存して再構築する こと、加えて、血管の走行をマイクロCTにて薄切前に撮影し、より正確な三次元データ解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで8例の御献体で解析を進め、当初は予想していなかったような興味深い形態なども確認されているが、形態には個体差がかなりあり、既往歴、年齢差、性差などによる個体差の法則性などを見出すまでには至っていないため、これらを関連させられるデータを集積させていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
これまで8例の御献体で解析を進めているが、血管壁の血管内皮細胞と中膜の一部が剥離する事例があることから、事前にシリコン系の血管 造影剤を血管内腔に充填し裏打ちし、血管壁を生体により近い状態に保存したのちに、三次元再構築することに加えて、薄切前に、血管の走行をマイ クロCTにて撮影することを試行している。このような手法により、性差や年齢差、既往歴などとも関連させられるデータを集積する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析データーをもう少し蓄積するために、標本作成の物品購入費として使用する予定である。
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