本研究課題を通して、これまで単純な模式図で表現されてきたゴルジ装置が、実は空間的に複雑な形状を呈していることを示すことができた。また、哺乳動物の生体内では、ゴルジ装置は巨大なオルガネラであり、連続した一連の構造体であることも実証することができた。さらに、本研究で開発に成功した新たな連続切片SEM・3D再構築法(免疫細胞化学法を組み合わせた手法)は、下垂体前葉組織だけに留まらず、同様に多種類の内分泌細胞が混在する膵島や消化管の散在性内分泌細胞の解析(ゴルジ関連分子の局在解析など)にも適応可能であり、複雑な生体組織内で特定の細胞を解析対象とする研究の発展への波及効果は大きい。
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