研究課題/領域番号 |
16K08460
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
多鹿 友喜 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90400738)
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研究分担者 |
高橋 麻衣子 (池澤麻衣子) 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (50701322)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 形態学 / 3Dイメージング |
研究実績の概要 |
フルカラー3 次元形態観察装置を完成させた。通常用いるクリオスタットで、ブロックフェースイメージングによる3次元形態データを取得できるようになった。同時に凍結切片も採取し解析できる点は、従来のブロックフェースイメージング法にはない機能である。平成28年度は、プロトタイプからの改良を行った。試料の位置決め(ブロック面の撮影タイミング)は、光反射を利用しているが、光源としてLEDファイバーランプ、赤色レーザー光、赤外線を試した。その結果、赤外線反射を利用することで、より正確な位置決めができ、安全性に優れ、簡素な装置として開発することができた。位置決め装置のほかに、ブロック面の2灯照明、ブロック面を清掃するための電動ブラシを開発した。フレームやエンクロージャもデザインし、装置を完成させた。申請後から平成28年度のあいだに、国際学会1件、国内学会2件において、3次元形態データと装置を発表した。学内・学外から、共同研究の依頼があり、開発した撮影装置は、本研究のにくわえて、共同研究でも活用している。装置に関する論文をまとめ投稿した。平成29年3月末現在、リバイス原稿の査読中である。 ブロック面の撮影は、ゆっくりと動く凍結ブロックを撮影するため、写真間で多少のズレが生じる。撮影後にImageJプラグインによるズレ補正をかけることはできるが、失敗が多かった。この問題は、凍結ブロック作成時に、形状を工夫することで解消した。ズレ補正の失敗がなくなったことで、処理できる検体数は、以前は1日で1個体だったのが、2、3個体は解析できるようになった。例えば胎生マウスが一腹10匹程度産まれた場合、一週間程度で全個体を3D形態解析できる計算であり、本研究で用いるノックアウトマウスの繁殖ペースと同等である。今後、開発した撮影装置でノックアウトマウスの形態解析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、平成28年度で3D形態解析装置を完成させられた。次年度からも、予定通り、装置をもちいたノックアウトマウスの形態解析を行う。
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今後の研究の推進方策 |
完成したフルカラー3 次元形態観察装置をもちいて、出生前後のノックアウトマウスの全身形態解析を行う。死産が多いため、呼吸器系、循環器系には注意したい。開発した装置を用いれば、1固体から、3Dボリュームデータとともに、通常の凍結切片も得られる。通常の顕微鏡解析も行い、ノックアウトマウスの表現型を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
画像処理用コンピュータを新調する予定だったが、GPU関連の不調で、メーカーのリコールになったため次年度に延期・注文することにした。
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次年度使用額の使用計画 |
画像処理用コンピュータ
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備考 |
大学サーバで、研究室が運用するホームページ
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