研究課題/領域番号 |
16K08468
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
江上 洋平 香川大学, 医学部, 講師 (80432780)
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研究分担者 |
荒木 伸一 香川大学, 医学部, 教授 (10202748)
川合 克久 香川大学, 医学部, 助教 (80534510)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ファゴサイトーシス / マクロファージ / 低分子量GTPase / TBC蛋白質 |
研究実績の概要 |
本年度は、前年度に同定されたTBC1D10B結合タンパク質であるARF類似蛋白アイソフォームA、C、Dの機能解析を行った。アイソフォームA、C、DをそれぞれRAW264マクロファージに過剰発現させると、アイソフォームCとアイソフォームAにおいて、著しいラッフリングの亢進が認められた。また、このラッフリングの亢進は、GTP結合型変異ミュータントを用いた発現機能解析から、GTP依存的であることが明らかとなった。他の低分子量GTPaseであるRac1をRAW264細胞に過剰発現させると、細胞表面のラッフリングが促進されることが知られていることから、アイソフォームAとアイソフォームCはRac1シグナリング経路の活性化に関与しているものと思われる。次に、アイソフォームA、C、Dの過剰発現による、Fcγレセプター介在性ファゴサイトーシスへの影響について検討した。RAW264細胞にアイソフォームA、C、DのGTP結合型、野生型を発現させ、IgGコートされた赤血球の取り込みを、顕微鏡下でカウントすることにより定量化したところ、アイソフォームA、C、DのGTP結合型の過剰発現により貪食が抑制されることが明らかとなった。また、この抑制効果は、アイソフォームC、A、Dの順に弱くなる傾向がみられた。昨年度のアイソフォームCに対する特異抗体を用いた発現解析から、アイソフォームCはRAW264細胞で発現量がやや少ないことから、TBC1D10Bは主にアイソフォームA、Dのシグナリング経路を介してファゴゾーム形成を抑制している可能性が推定される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
TBC1D10B結合タンパク質候補のスクリーニングは、完了していないが、TBC1D10B結合タンパク質であるARF類似蛋白アイソフォームA、C、Dについて、Fcγレセプター介在性ファゴサイトーシスへの影響が検討できているため。
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今後の研究の推進方策 |
ARF類似蛋白アイソフォームA、Dの内在性蛋白の機能について検討を行う予定である。また、他のTBC1D10B結合タンパク質候補がファゴゾーム形成を制御している可能性も考えられることから、TBC1D10B結合タンパク質候補のスクリーニングと機能解析も継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
TBC1D10B結合蛋白質の機能解析に遅れが生じたことに加え、年度末の学会出席を見合わせたため、次年度使用額が生じた。次年度に当初の予定通り結合タンパク質候補の機能解析に使用する。
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