組織幹細胞は多分化能を持ち、組織内における細胞供給源となっている。申請者らは、成体ラット下垂体前葉の組織幹細胞と予想されるS100β/SOX2/CXCR4/CD9陽性細胞を約86%以上の純度で分画することに成功した。単離した細胞はBMPシグナリングによって誘導される転写因子ID2の発現増加によって血管内皮細胞へと分化することを明らかにした。また血管新生の亢進が見られる下垂体腺腫モデルラットの下垂体前葉でも同様の血管新生が起こっていることも示唆した。またS100β/SOX2/CXCR4/CD9陽性細胞から3次元培養を利用することでホルモン産生細胞への分化に成功した。
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