研究課題
本研究は、慢性腎臓病の軽症からの腎保護薬の開発を目的としている。これまでの我々の基礎医学的研究成果よりアルカリ性化剤は慢性腎臓病における腎機能障害の進行を予防する可能性が示唆された[J Am Soc Nephrol. 2011, 22; 635-648]。このトランスレーショナルリサーチとして、東北大学病院倫理委員会の承認のもと『慢性腎臓病における経口アルカリ性化剤による腎保護効果の検証(CKOALA研究)』を企画・開始した。日本で以前より安全に使用されている2種類のアルカリ性化剤(クエン酸ナトリウム/カリウム塩と重曹)を使用した。標準治療群・クエン酸ナトリウム/カリウム塩群・重曹群の3群を比較した、単施設・無作為の前向きコホート研究である。目標登録人数は一群50人(x3群)を目標とした。2013年3月より研究開始したが登録に難渋したため、2108年3月に登録終了期限を設けた。また本研究期間中にフィージビリティ・スタディーとして、既に匿名化した47症例のサンプルを使用して定量的質量分析(LC-MS/MSとGC-MS/MS)を行った。最終的に101名が登録し8名が脱落や同意撤回した。データはモニタリング・クリーニングなどを経て固定され、現在解析中である。これまでに共同研究企業とともに、フィージビリティ・スタディーの結果を中心に『アルカリ性化剤による血液浄化』『尿細管機能維持又は改善剤』『腎機能維持又は改善剤』の3つの特許を出願した。本研究では、内分泌検査や生理学的検査も駆使し腎機能評価する予定である。本研究成果は本年度~来年度かけて論文公開する予定である。
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