嗅覚受容の第一段階は、におい分子の持つ化学情報が生体電気信号に変換される過程である。外界から飛来したにおい分子が鼻腔内の嗅覚神経細胞受容体と結合して始まる。その後、CNGやCl(Ca)チャネルを介して情報変換が起こる。情報変換の場は粘液層内にある線毛であるため、外部刺激による細胞の電気変化を測定することは可能である。しかし線毛は直径100-200nmであり、通常の顕微鏡の解像度以下であることから生きた線毛からの応答を測定することは困難であった。本研究では、技術的困難を克服して電気記録を取得し、チャネル修飾による嗅覚感度の変化を定量的に解析し、論文・学会発表という形で国内・海外に発信した。
|