研究課題
ストレスによるGnRHニューロンの機能低下が細胞内Cl-恒常性維持機構の破綻による可能性を考え検討を行った。GnRH ニューロンへはGABA が興奮性に作用するが、GnRHニューロンでNKCC1を欠失させたマウスを作成し解析を行ったところ、雌では妊娠が認められ、雄の繁殖能力も正常であり、NKCC1機能喪失による細胞内Cl-濃度維持機構の破綻は生殖機能に影響を与えない可能性が考えられた。また、GnRHニューロンでKCC2機能が低いメカニズムとして、KCC2機能のリン酸化による制御を考え、KCC2の906番目と1007番目のスレオニン残基のリン酸化状態を模倣したマウスを作成し解析を行ったところ、Cl-くみ出し能が低下しており、てんかん発作が認められた。生後すぐに死亡するため生殖機能への影響を解析できなかったが、KCC2機能がリン酸化により抑制されることを明らかにすることができ、GnRHニューロンではKCC2機能がリン酸化により抑制されており、ストレスにより脱リン酸化され機能し始める可能性が考えられた。さらに、ストレスのGnRHニューロンの活動への影響を検討するために、GnRHニューロンでGCaMP3を発現するマウスを作成し、急性スライスよりCa2+イメージングを行なったが、GCaMP3の発現が弱くCa2+オシレーションを記録できなかったため、GCaMP3の発現量を増加させるために、マウスのホモ化を行った。また、GnRHニューロンでKCC2を発現させることによるCa2+オシレーションへの影響を検討するために、GnRHニューロンでGCaMP6fとKCC2を発現するマウスを作成し、オシレーションの頻度、同期を示す細胞数についてMATLAB を用いて解析を行った。さらに、個体レベルで検討するために、GRINレンズを用いた視床下部のin vivo Ca2+イメージングの立ち上げを行った。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Science Signaling
巻: 12 ページ: -
10.1126/scisignal.aaw9315.
https://www.hama-med.ac.jp/education/fac-med/dept/neurophysiology/index.html