研究課題/領域番号 |
16K08532
|
研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
増渕 悟 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80362771)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 腫瘍低酸素 / 概日リズム |
研究実績の概要 |
In vivoでの腫瘍リズム解析のために分子時計振動の指標となるレポーター遺伝子を安定導入した大腸癌細胞株(HCT116:DBP-luc)のマウスへの移植実験を行った。HCT116:DBP-luc を培養し単離、BALB/c SLC-nu/nuマウスに移植を試みたが生着がみられなかった。また、In vivoでの腫瘍リズムモニタリングのための腫瘍発光連続検出系の作成を行った。当初の計画通り円形の飼育エリアからの動物の発光を放物面鏡で集光し光電子増倍管により検出するin vivo測定ユニットを作成した。腫瘍が生着した動物が得られなかったため培養細胞発光を指標としてユニットの条件検討を行った。腫瘍細胞リズムは検出されたが検出系の感度が高くかつ遮光が十分でなかったため測定ユニットの外の光情報(点灯、消灯)がバックグラウンドとしてデータに混入した。一方、担癌動物の腫瘍内低酸素細胞のリズム評価に関連して、1日のうちでの様々なタイミングでの低酸素自体がマウス個体の行動リズムへ与える影響を評価する実験を行った。明期開始から9hの低酸素はそれに続く暗期の活動量の上昇を抑制するが、この条件で低酸素を暴露されたマウスにおいて前脳の遺伝子の変化をマイクロアレイにて網羅的に検索したところホルモン及び細胞内情報伝達系に関連するいくつかの遺伝子群の発現量の上昇がみられた。その結果より低酸素によって上昇するあるホルモンは低酸素暴露による活動量の低下に抵抗する役割を担っていることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
nu/nuマウスではHCT116:DBP-luc腫瘍の生着は見られていないがNOD-scidマウスなどを試みることで改善が期待できる。またIn vivoでの腫瘍リズムモニタリングのための腫瘍発光連続検出ユニットは遮光の問題を改善することで使用可能となる。
|
今後の研究の推進方策 |
予定通り担癌マウスを作成し、腫瘍内リズム構築の解析を行う。また担癌マウスのリズム解析を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
担癌マウスの作成およびin vivo連続発光測定ユニットの作成に時間を要したため。
|
次年度使用額の使用計画 |
免疫不全マウスは高価でありかつ大量の担癌動物の作成が必要なため。助成金の多くは動物の購入、作成に使用される。
|