研究課題
臨床検体の採取と腸内細菌叢の分析:平成30年度は晴和病院にてPSG検査入院をしたナルコレプシー症例24例に広げ前年度のプロトコールに従い採便キットで便を採取。患者群および対照群からDNAを抽出し、遺伝子解析によってヒト腸内細菌の16S rRNAの網羅的解析を行った。(委託検査:テクノスルガラボ;T-RLFPフローラ解析)解析結果としてこれまでの解析で示唆されたビフィズス菌の保有率が対照群より高い傾向がナルコ群において再確認された。クラスター解析によるとナルコレプシー群は共通のクラスターに分類される事が多いが、そこから外れる症例も散見されたため、過眠症状の各パラメーターとの詳細な検討が必要である。さらに過眠症状との関連を探るために、過眠症一般との比較検討も進めている。一例として睡眠障害を高い頻度で併発する発達障害症例で検討したところ睡眠傾向と腸内細菌分布に関連が見られ過眠症のどのパラメータと強く相関するのかを検討中である。患者検体の分析:バイオマーカ検索のためにPSG/睡眠脳波検査を行った翌朝に約20mLの採血を行い、血清およびリンパ球を分離・凍結保存しメタボローム解析をおこなっているところである。動物モデルによる細菌叢検討:最終年度は過眠症改善の効果があると考えられる薬物をナルコレプシーモデルマウスに長期投与し腸内細菌叢の変化を調べた。長期の投与により腸内細菌叢の変化と睡眠パターン、オレキシン神経の活性度の変化について検討中である。
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International Journal of Molecular Medicine
巻: 43 ページ: 2164-2176
https://doi.org/10.3892/ijmm.2019.4143
http://www.igakuken.or.jp/sleep/