増殖因子受容体に対する人工リガンド技術は疾患や再生医療に応用可能である。本研究では環状ペプチドスクリーニングを用いて、インスリン受容体に対する人工リガンドの取得と、人工アゴニスト環状ペプチドの性状に関する基盤研究を行った。組換えIRタンパク質は活性を保ったままでの生成が困難であり、ナノディスクによる可溶化IRの精製を試行している。環状ペプチドアゴニストが本来のリガンドとほとんど同じ活性を持ち得ること、不完全アゴニスト環状ペプチドを用いることで本来のリガンドと異なる選択的な細胞応答性を誘導できること、ユニークな環状ペプチドータンパク質の結合様式を立証し、人工リガンド技術確立のための知見を得た。
|