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2017 年度 実施状況報告書

AM-RAMP2系による、脂肪細胞の細胞骨格とエネルギー代謝制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K08545
研究機関信州大学

研究代表者

神吉 昭子  信州大学, 学内共同利用施設等, 助教 (10397309)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードアドレノメデュリン / 脂肪細胞
研究実績の概要

アドレノメデュリン(AM)は、血管拡張作用をはじめ多彩な生理活性を有する内因性ペプチドであり、AMとAMの受容体活性調節タンパクであるRAMP2は、血管だけでなく脂肪細胞においても高発現が認められる。本研究では、脂肪細胞におけるAM-RAMP2系の病態生理学的意義を明らかにするため、脂肪細胞特異的RAMP2ノックアウトマウス(A-RAMP2-/-)を作製し、脂肪細胞におけるAM-RAMP2系の脂質代謝およびエネルギー代謝調節機構や、褐色脂肪細胞とベージュ脂肪細胞の分化制御における細胞骨格構造の役割を新たに解明し、メタボリックシンドロームの新たな治療法開発へ展開することを目的とした。
平成29年度は、鼠径部白色脂肪組織のエネルギー代謝制御におけるAM-RAMP2系の役割を主に検討した。鼠径部白色脂肪組織より前駆脂肪細胞を採取し、ベージュ脂肪細胞への分化誘導実験を行った。リアルタイムPCRによる遺伝子解析より、A-RAMP2-/-は野生型マウスと比較して、ベージュ脂肪細胞マーカーであるUCP1、Cideaなどの遺伝子発現が減少していた。以上の結果より、脂肪細胞のAM-RAMP2系が脂肪細胞のエネルギー代謝と分化制御に関与することが示唆された。さらに細胞骨格構造の詳細なメカニズムを解明することにより、脂肪細胞のAM-RAMP2系がメタボリックシンドロームの治療の有用な標的となるか明らかになると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

脂肪細胞特異的RAMP2ノックアウトマウス(A-RAMP2-/-)を用いて、鼠径部白色脂肪組織のエネルギー代謝制御におけるAM-RAMP2系の役割を検討した。鼠径部白色脂肪組織より前駆脂肪細胞を採取し、ベージュ脂肪細胞への分化誘導実験を行った結果、リアルタイムPCRによる遺伝子解析より、A-RAMP2-/-は野生型マウスと比較して、ベージュ脂肪細胞マーカーであるUCP1、Cideaなどの遺伝子発現が減少していた。以上の結果より、脂肪細胞のAM-RAMP2系がベージュ脂肪細胞のエネルギー代謝と分化制御に関与することが示唆された。当初の目的よりやや遅れているが、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

平成30年度は、寒冷刺激によりベージュ脂肪細胞および褐色脂肪細胞を分化誘導することで、鼠径部白色脂肪組織、褐色脂肪組織のエネルギー代謝と分化制御におけるAM-RAMP2系の役割をより詳細に解明する。また、脂肪細胞特異的RAMP2ノックアウトマウス(A-RAMP2-/-)を用いて、in vitroでベージュ脂肪細胞および褐色脂肪細胞の前駆脂肪細胞の分化誘導実験を行い、AM-RAMP2系の分化制御メカニズムについてより明確にする。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Adrenomedullin suppresses vascular endothelial growth factor-induced vascular hyperpermeability and inflammation in retinopathy2017

    • 著者名/発表者名
      Imai A, Toriyama Y, Iesato Y, Hirabayashi K, Sakurai T, Kamiyoshi A, Ichikawa-Shindo Y, Kawate H, Tanaka M, Liu T, Xian X, Zhai L, Dai K, Tanimura K, Liu T, Cui N, Yamauchi A, Murata T, Shindo T.
    • 雑誌名

      Am J Pathol

      巻: 187(5) ページ: 999-1015

    • DOI

      10.1016/j.ajpath.2017.01.014.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Placental extract ameliorates non-alcoholic steatohepatitis (NASH) by exerting protective effects on endothelial cells2017

    • 著者名/発表者名
      Yamauchi A, Kamiyoshi A, Koyama T, Iinuma N, Yamaguchi S, Miyazaki H, Hirano E, Kaku T, Shindo T.
    • 雑誌名

      Heliyon

      巻: 3(9) ページ: -

    • DOI

      10.1016/j.heliyon.2017.e00416

    • 査読あり
  • [学会発表] Regulation of Cytoskeleton and Energy Metabolism of Adipocytes by Adrenomedullin-RAMP2 System2018

    • 著者名/発表者名
      Akiko Kamiyoshi, Takayuki Sakurai, Yuka Ichikawa-Shindo, Hisaka Kawate, Megumu Tanaka, Liuyu Zhai, Kazutaka Hirabayashi, Kun Dai, Nanqi Cui, Yangxuan Wei, Masaaki Tanaka, Keiya Tanimura, Teng Liu, Haruka Tomiyama, Shuhei Matsui, Akihiro Yamauchi, Takayuki Shindo.
    • 学会等名
      第82回日本循環器学会
  • [学会発表] アドレノメデュリン-RAMP2系による脂肪細胞の細胞骨格およびエネルギー代謝制御機構2017

    • 著者名/発表者名
      神吉昭子、桜井敬之、新藤優佳、河手久香、田中愛、Liuyu Zhai、平林一貴、田中正明、劉騰、新藤隆行
    • 学会等名
      第21回日本心血管内分泌代謝学会
  • [学会発表] アドレノメデュリン-RAMP2系は褐色脂肪細胞とベージュ脂肪細胞の分化を制御する2017

    • 著者名/発表者名
      神吉昭子、桜井敬之、河手久香、新藤優佳、田中愛、羨鮮、Liuyu Zhai、平林一貴、戴昆、崔南奇、田中正明、谷村圭哉、劉騰、冨山 遥、Yangxuan Wei、山内啓弘、新藤隆行
    • 学会等名
      第38回日本肥満学会

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公開日: 2018-12-17  

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