研究課題
基盤研究(C)
アドレノメデュリン(AM)は、血管拡張作用など多彩な生理活性を有するペプチドであり、AMと受容体活性調節タンパクRAMP2は脂肪細胞でも高発現が認められる。本研究では、脂肪細胞特異的RAMP2ノックアウトマウスを用いて、AM-RAMP2系のエネルギー代謝調節や褐色脂肪細胞、ベージュ脂肪細胞の分化制御における細胞骨格構造の役割を解析した。AM-RAMP2系は、褐色脂肪細胞およびベージュ脂肪細胞の細胞骨格構造を制御し、エネルギー代謝制御に関与する可能性が示唆された。
代謝学
AMはペプチドで血中半減期が短いため、それ自体を慢性疾患の治療薬として利用することは難しい。そこで、AMの受容体側に着目し、その受容体活性調節タンパクであるRAMP2を標的とした治療法の開発を検討している。RAMP2は1回膜貫通型タンパクであり、比較的単純な構造のため治療標的分子となる可能性が高いと考えられ、本研究の成果により、RAMP2を標的としたメタボリックシンドロームの治療法開発に展開することが期待される。