本研究では、神経グルタチオン(GSH)産生を抑制するmicroRNAに対し、その阻害薬(antimiR)をマウスに経鼻投与することにより脳内GSH産生を促進させ、酸化ストレスによる神経変性に対して抑制効果を発揮するかどうかを明らかにすることが目的であった。脳内GSH産生を抑制するmicroRNA-96-5pを標的としたantimiRの高用量経鼻投与実験では、海馬へのantimiRの移行性と海馬神経細胞内GSH量の増加が確認された。一方で、antimiRを用いた経鼻投与法による治療戦略においては、効果増強と用量減量のために新たな薬物送達システムの改良が必要と考えられた。
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