マウス心筋梗塞モデルで治療効果を比較検討した。超音波画像診断による心収縮能は、PBS投与群に比べてSimNP投与群とAdSC投与群では改善効果は認められなかったが、SimNP-AdSC投与群では有意な改善が認められただけでなく、梗塞巣の心外膜側に新生肉芽組織を認め、多数のNkx2.5陽性の幼弱な心筋細胞の集まり組織であることが判明した。さらに、治療2ヶ月を経過した心臓に内因性再生心筋が認められた。胎生期発生関連因子WT-1陽性の心外膜側の新生肉芽組織に増殖マーカー(Ki67)と共陽性になる細胞が多数認められたことから、心外膜由来WT-1陽性細胞が心筋細胞に分化することで組織再生が誘発された。
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