研究課題/領域番号 |
16K08570
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
藤倉 大輔 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (70547794)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | DR6 / 末梢免疫細胞 / T細胞 |
研究実績の概要 |
本年度においては、DR6シグナルの解析に供するin vitro解析用培養細胞株を数種作成、樹立した。具体的に、昨年度CRISPR/Cas9法によるゲノム編集により作成したDR6遺伝子欠損DO11.10T細胞ハイブリドーマ株に、FLAGエピトープを付加したDR6野生型(FLAG-DR6_WT)、DR6の細胞内領域を全欠損させた変異体(FLAG-DR6_dT)および、細胞内領域を部分欠損させた変異体(FLAG-DR6_dDD、FLAG-DR6_dC、FLAG-DR6_dCLR)をそれぞれ再び安定導入した細胞株を樹立した。次に、DR6シグナルのT細胞シグナル関連遺伝子発現への影響を観察するために、FLAG-DR6_WT発現DO11.10-T細胞株あるいはFLAG-DR6_dT発現DO11.10-T細胞株を、抗DR6抗体あるいはコントロール抗体で刺激したのちに、これら細胞株から得られたRNAに含まれる数十種の遺伝子発現量を、定量PCR(qPCR)法により検出した。各刺激条件において、FLAG-DR6_WT発現DO11.10-T細胞株の遺伝子発現量を、FLAG-DR6_dT発現DO11.10-T細胞株の遺伝子発現量と比較した。上記一時解析の結果から、変動のあった解析候補遺伝子について、mRNAレベル(qPCR法)およびタンパク質レベル(ウエスタンブロット法あるいはELISA法)における再現性の確認を現在進めている。また、来年度に予定しているin vivo解析にあたり、CRISPR/Cas9法によるDR6遺伝子欠損マウスの作製を開始し、DR6遺伝子欠損マウスを数系統得ることができた。来年度の解析に向けて、現在、これらマウスのライン化を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定では、本年度内にin vitro解析がタンパク質レベルまで進む予定であったが、代表者の異動等により遺伝子レベルでの解析を終えるにとどまった。これについては引き続き来年度に施行する。一方で、当初、時間を要すると思われたDR6遺伝子欠損マウス系統の作製について、CRISPR/Cas9法の導入により、本年度内に、産仔を得ることができ、また、DR6発現欠損の確認を終えることができたことから、当初計画より早く進んでおり、研究計画全体としては概ね予定通りと言える。
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今後の研究の推進方策 |
概ね当初計画の通りに遂行する。本年度残予算については予定より早く作製された遺伝子欠損マウスの飼育経費および解析試薬等の消耗品費に充当する。
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次年度使用額が生じた理由 |
経費削減努力に依る。残額については次年度計画の遂行に用いる。
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