リゾホスファチジン酸受容体LPA4とLPA6が血管新生に果たす役割と、その分子機序の解明を目的に研究を行った。血管内皮細胞特異的LPA4/LPA6二重欠損マウスは、コントロールマウスと比較して新生仔網膜の血管新生が損なわれており、この異常はNotch阻害剤であるDAPT投与で改善した。また、LPA刺激により核内に移行したYAPは、Aktが促すβ-カテニンとNotch細胞内ドメインによるDLL4遺伝子発現を抑制した。以上の結果から、血管内皮細胞のLPA-LPA4/LPA6シグナルはYAP/TAZの核内移行を促し、DLL4遺伝子の発現を制御することにより正常な血管新生に寄与することが示唆された。
|