研究課題/領域番号 |
16K08577
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
北川 元生 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (40262026)
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研究分担者 |
増田 渉 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (00623464)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Notch / TM2D3 / almondex |
研究実績の概要 |
前年度までに樹立したTm2d3遺伝子のexon 5を欠失するマウス(ノックアウトマウス)系統を用いて初代培養線維芽細胞を調製した。Tm2d3を欠失する細胞では細胞表面におけるNotch1およびNotch2の発現が低下していた。この結果は、培養細胞株293TでTM2D3を過剰発現させるとNotch1の細胞表面の発現が増加するという以前の結果と合致するものである。これらの結果から、TM2D3はNotch受容体の細胞表面における発現に関与すると結論された。 市販のFlp-In 293 T-REx細胞とそれに付随するシステムを用いて、FLAG tagを付したTM2D3(FLAG-TM2D3)をテトラサイクリン誘導性に発現する細胞株を樹立した。この細胞におけるFLAG-TM2D3の発現量は、293Tに発現ベクターを一過性に導入した場合と比べ1/10程度であった。この細胞で免疫染色法によってFLAG-TM2D3の細胞内局在を検討したところ、抗FLAG抗体は誘導時特異的に多数の小胞様構造を染色した。この結果は、以前の293TにFLAG-TM2D3の発現ベクターを一過性に導入した場合の結果(小胞体)と異なっているが、過剰に発現した膜タンパク質が小胞体に蓄積することはよく知られたアーティファクトであり、今回の結果の方がより内因性タンパク質の局在に近いものと考えられる。 これらの研究成果によって、前年度に投稿した論文に対して査読者から要求された追加実験を完了した。現在再投稿に向けて論文を改訂中である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度投稿した論文について、査読者から要求された追加実験は多岐にわたった。今年度これをすべて完了することができたが、その結果は先に投稿した論文の結論をさらに補強するものであり、改訂によって論文は強化されるものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
論文を改訂・投稿し、受理を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の成果を論文として投稿したところ、査読者から予想外に多くの追加実験を要求された。この追加実験に取り組み、現在すべての実験が終了している。近日中に改訂版を再投稿する予定であるが、掲載料は次年度に発生する見込みである。 すでに作製に成功しているノックアウトマウスを所属先の施設に導入する予定であったが、施設の稼働が延期されたため、輸送費が次年度に発生する予定である。
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