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2017 年度 実施状況報告書

核内受容体Ad4BPによるレギュロンスイッチングの制御メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K08593
研究機関九州大学

研究代表者

馬場 崇  九州大学, 医学研究院, 助教 (40435524)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード遺伝子発現制御 / 代謝
研究実績の概要

「糖濃度の変化に応答したAd4BPの翻訳後修飾の同定とその機能解析」
Ad4BPの翻訳後修飾を同定するために、FLAGタグを付加したAd4BPを安定的に発現するHEK293細胞 (293-FLAG-Ad4BP)を樹立した。293-FLAG-Ad4BPの核抽出液からFLAG抗体による免疫沈降を行い、FLAG-Ad4BPを単離し、質量分析によりその翻訳後修飾の同定を行った。その結果、これまでに報告のない、3カ所のリジン残基のアセチル化修飾が同定された。そのうち2カ所のリジン残基はC末端側のリガンド結合ドメインに存在した(図)。Ad4BPのリガンド結合ドメインは、β-カテニン等との相互作用に必要であることが分かっていることから、今回同定したAd4BPのアセチル化がAd4BPと共役因子との相互作用の調節に関与している可能性が示唆される。また、アセチル化の修飾基の供与体であるアセチルCoAは糖、および脂肪酸の代謝によって産生されることから、細胞内のエネルギー代謝状態のセンサーの一つであると考えられている。実際、Ad4BPのアセチル化修飾は高糖濃度条件下で亢進していることから、糖濃度に応じたAd4BPの機能制御をおこなっている可能性が十分に考えられる

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに糖濃度の変化に応答した新規のAd4BP/SF-1の翻訳後修飾を複数同定しており、研究は概ね順調に進んでいると考える。

今後の研究の推進方策

今回同定した3カ所のリジン残基がそれぞれアセチル化されたAd4BPを特異的に認識するモノクローナル抗体の作成を行っている。抗体が得られ次第、免疫染色により生体内におけるアセチル化Ad4BPの局在を調べる。また、アセチル化Ad4BPが制御する標的遺伝子をChIP-seqにより明らかにする。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Ad4BP/SF-1 regulates cholesterol synthesis to boost the production of steroids2018

    • 著者名/発表者名
      Takashi Baba, Hiroyuki Otake, Miki Inoue, Tetsuya Sato, Yasuhiro Ishihara, Ju-Yeon Moon, Megumi Tsuchiya, Kanako Miyabayashi, Hidesato Ogawa, Yuichi Shima, Lixiang Wang, Ryuichiro Sato, Takeshi Yamazaki, Mikita Suyama, Masatoshi Nomura, Man Ho Choi, Yasuyuki Ohkawa & Ken-ichirou Morohashi
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 1 ページ: 1-9

    • DOI

      10.1038/s42003-018-0020-z

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ORCHESTRATION OF HOUSEKEEPING AND CELL-SPECIFIC METABOLISM FOR STEROID HORMONE SYNTHESIS BY A SINGLE TRANSCRIPTION FACTOR, Ad4BP/SF-12018

    • 著者名/発表者名
      Takashi Baba, Hiroyuki Otake, Miki Inoue, Kanako Miyabayashi, Yuichi Shima, Tetsuya Sato, Yasuyuki Ohkawa, Mikita Suyama, Ken-ichirou Morohashi.
    • 学会等名
      8th International Symposium on Vertebrate Sex Determination
    • 国際学会
  • [学会発表] Role of Ad4-Binding Protein/Steroidogenic Factor-1 (Ad4BP/SF-1) in regulating NADPH production in adrenocortical Y-1 cells2017

    • 著者名/発表者名
      Takashi Baba, Li Bing, Ken-ichirou Morohashi.
    • 学会等名
      Asian Sex Differentiation Network
    • 国際学会
  • [学会発表] 核内受容体Ad4BP/SF-1による NADPH産生制御2017

    • 著者名/発表者名
      馬場 崇、Li Bing、諸橋 憲一郎
    • 学会等名
      第25回日本ステロイドホルモン学会学術集会
  • [学会発表] 核内受容体Ad4BP/SF-1によるステロイドホルモン産生へ向けた全プロセスの制御2017

    • 著者名/発表者名
      馬場 崇、諸橋 憲一郎
    • 学会等名
      ConBio2017
  • [備考]

    • URL

      www.med.kyushu-u.ac.jp/seisaseibutu/

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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