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2016 年度 実施状況報告書

AAA型シャペロンCDC-48の新規制御機構「クリップモデル」の検証

研究課題

研究課題/領域番号 16K08594
研究機関熊本大学

研究代表者

山中 邦俊  熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (90212290)

研究期間 (年度) 2016-10-21 – 2019-03-31
キーワードAAAシャペロン / CDC-48 / UBXN-6 / ユビキチン
研究実績の概要

CDC-48はユビキチン選択的AAA型シャペロンであり、細胞内で極めて多岐にわたる機能に関与している。N末端アダプター群がそれぞれに特異的な基質を認識し、C末端アダプターがそれらをどのように処理するかを規定している。本研究では、両末端に結合するユニークなアダプターUBXN-6が、クリップのようにN末端とC末端をつなぎ止めて不活性型CDC-48プール形成に関わり、CDC-48の総活性量を調節しているという新規なアダプターの機能「クリップモデル」を提唱し、このモデルを検証することを目的としている。
CRISPR/Cas9系を用いて、UBXN-6欠失変異体、N末端にV5タグを付加したUBXN-6(V5-UBXN-6)を発現する線虫およびUBXN-6の各ドメインを欠失した変異体を発現する線虫を作製し、現在それぞれの変異がもたらす影響を調べている。UBXN-6欠失変異体は、寿命が短くなっていた。また熱処理に感受性を示した。オートファジーへの関与を調べている。
また、UBXN-6のCDC-48への結合を制御する因子の同定を試みる目的で、V5-UBXN-6を発現する線虫から抽出液を調製し、現在、抗V5抗体で免疫沈降してくる因子の解析を行っている。
酵母ツーハイブリッド法により、UBXN-6のドメインの詳細な解析を行い、CDC-48との相互作用に関わるアミノ酸残基を特定する。このために、UBXN-6のクローニングを行い,さらには各ドメインの欠失体および点変異体を作製している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた種々のコンストラクトの作製もほぼ順調に進んでおり,現在はそれらを用いた解析に進んでいる。

今後の研究の推進方策

現在行っているUBXN-6のCDC-48への結合を制御する因子の同定を継続進行する。V5-UBXN-6を発現する線虫の抽出液から抗V5抗体で免疫沈降してくる因子をマス解析することにより、UBXN-6に特異的に結合する因子を同定する。免疫沈降がうまく作用しているかは、CDC-48が共沈してくることで判断できる。CDC-48に対する抗体は既に調製済みである。得られた結合因子の欠失変異体をCRISPR/Cas9系を用いて作製する。致死になるなどの理由でホモ変異体が得られない場合は、RNAiによって発現量を低下させて用いる。変異によってCDC-48の共沈量に変化が現れるのが、目的の結合制御因子であると考えられる。
免疫沈降で得られる因子に関して,UBXN-6に結合制御以外の機能を付与している因子も取れてくることも期待される。これらが得られれば、モデルで予測している機能とは別な機能を見いだす手がかりとなり、CDC-48の全体像を理解するのに大いに役立つ。我々はこれまでにCDC-48欠損によって現れるいくつもの表現型を報告してきた。ここで同定・作製できたUBXN-6結合因子欠失変異体が示す表現型の解析を行い、これら結合因子がCDC-48に付与する機能を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

採択が4月からではなく10月からであったことにより,少し次年度に繰り越すことになった。

次年度使用額の使用計画

当初の計画に大きな変更は無い。

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公開日: 2018-01-16  

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