研究課題
基盤研究(C)
モデル動物とヒト疾患患者の解析を通して、雌性生殖機能を調節する新たな分子機構を明らかにすることを目的として本研究を行った。下記の成果が得られた。下垂体ホルモンがマウス卵巣においてMamld1遺伝子の発現を制御すること、NR5A1変異による精巣形成がヒト特異的な現象であることを見出した。さらに、多嚢胞性卵巣症候群患者における男性化の一因と不妊症患者において加齢による卵の質の低下に関与する因子を同定し、子宮内膜上皮細胞におけるCD9の機能を解明した。
分子生物学
本研究では、遺伝子機能の変化やホルモンバランスの変化が雌性生殖機能に与える影響を明らかにした。さらに、モデル動物と疾患患者の解析を行うことで、生物種間における雌性生殖機能に与える影響の共通性と多様性を見出した。本研究の意義として、単一遺伝子の機能低下により引き起こされる疾患発症機序の解明が挙げられる。本研究の成果は、性分化疾患や不妊症などの内分泌関連疾患の発症機序の解明に結び付くことが期待される。