研究課題
CDXによる腸分化誘導によって増殖停止を来す2種類の胃癌細胞株を用い、予定通り、マイクロアレイによる網羅的なmRNAの発現解析を施行し、発現解析を行なった。この結果、多くの腸分化マーカー遺伝子の発現が誘導される一方、胃分化マーカー遺伝子の発現が抑制される結果が得られ、分化制御が増殖停止と同時に起きていることが確認された。また、フローサイトメトリーによる細胞周期解析、ならびに、細胞周期関連タンパク質の発現解析(Western blotting)では、G0-G1増殖停止が増殖停止の主なメカニズムであることが明らかとなり、分化誘導が増殖停止を来す原因であることがより明確となった。一方、同時に施行したアポトーシス解析(TUNEL法、アポトーシス関連タンパク質の免疫染色)では、アポトーシス細胞の頻度はごく僅かであり、アポトーシスが増殖停止の原因ではないことが示唆された。臨床検体を用いた発現解析として、胃癌組織検体89症例に対するCDX1・CDX2の免疫染色を行ない、胃癌組織型との関連を解析したところ、胃癌が未分化であるほどCDXの発現が弱く、分化度が高いほどCDXの発現が強いことが明らかとなった。腸分化誘導を来す薬剤の検索については、蛍光顕微鏡との組み合わせることによって、薬剤ライブラリー約400種についてのスクリーニングを行なっている。現在、約200種類のスクリーニングを終えたが、残念ながら2017年3月時点では、発現を誘導する薬剤をまだ発見されていない。
2: おおむね順調に進展している
マイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現解析の解釈、ならびに、その後の研究の進捗にやや難渋しているが、全体としては、ほぼ予定通りに進行している。
概ね予定通りに進んでいるが、マイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現解析の解釈でやや難しい面があり、バイオインフォマティクス専門家である冨田秀太先生(岡山大学)との共同研究を開始する方針とした。
マイクロアレイによる遺伝子発現解析の結果の解釈が難しく、このデータ解析をもとにした研究の進捗がやや遅れている。
バイオインフォマティクス専門家の冨田秀太氏(岡山大学)との共同研究を開始する予定とした。
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