がん細胞では特徴的な代謝変化がしばしば認められ、この性質はがん細胞の悪性形質に深く関与している。がん細胞における脂質合成の亢進は、このような代謝的な特徴の一つである。また、オンコジェニックシグナルの活性化において、脂質ラフトと呼ばれるコレステロールおよびスフィンゴ脂質を豊富に含む膜ドメインが重要な役割を果たしている。本研究課題では、コレステロールを中心とする脂質合成と脂質ラフト構成脂質の細胞内輸送が膜ドメイン機能を調節していることを明らかにし、がん細胞における脂質代謝の重要性の一端を明らかにした。
|