研究課題
基盤研究(C)
本研究では、腸上皮細胞特異的な発現を示すチロシンホスファターゼSAP-1およびその関連シグナル分子による腸上皮細胞を介した腸管免疫制御機構の解析を進め、SAP-1の基質分子であるCEACAM20、およびSAP-1関連分子であるSrcファミリーキナーゼやCskが、腸炎モデルマウスを用いた解析などによりin vivoにおいて腸炎の病態形成に関与すること、また、これらシグナル分子による腸管免疫の制御機構の一端を明らかにした。
生化学、分子生物学
腸管における免疫応答の異常は大腸炎や大腸がんの病態形成に深く関わることが知られている。しかしながら、腸管を構成する腸上皮細胞による免疫制御機構については不明な点が多い。本研究により、腸上皮細胞による腸管免疫制御機構の一端が明らかとなった。また、その制御機構の異常が腸炎の病態形成に関わることが腸炎モデル動物を用いた解析から示唆された。今後、更に本研究を進めることにより、免疫異常と関連する腸炎や大腸がんなどの消化管疾患の新たな診断法や治療法の開発の糸口が得られることが期待される。