アクチンの核化・重合促進因子として機能するformin相同タンパク質FhodにはFhod1とFhod3の2つが存在する。これまで我々はFhod3ノックアウトマウスを用いることで、アクチンとミオシン両線維が規則正しく整列した横紋筋の収縮装置「サルコメア」構造の形成にFhod3は必須であることを明らかとしてきた(Kan-O et al. PLoS One 2012; Kan-O et al. Biol Open 2012)。一方、Fhod1については、アクチン線維形成の解析を通じて、細胞遊走能、接着能といった機能に関与していることが報告されているが、個体レベルでのFhod1の機能は未だ明らかとはなっていない。我々はFhod1のマウス個体レベルでの機能解析をすすめるため、Fhod1ノックアウトマウスを作出することとした。本年度はFhod1ノックアウトマウス作出を進めた結果、相同組換え体ES細胞を胚に注入して得られたキメラマウスから、F1世代ヘテロ欠損マウスを得た。これらの兄妹交配によりホモ欠損マウスを得ることができたため、その表現型について解析を進めている。
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